スペイン政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月14日に非常事態宣言を発令し、スペイン国内に住む市民に自宅待機を義務づけています。しかし、この宣言を遵守せずに不要不急の外出をしたとして926人の逮捕者が発生したうえ、警察からの違反報告が102,000件に上ったことが報告されています。
3月24日、マラスカ内相は「規制に反した新たな逮捕者や警察からの違反報告があったが、大多数のスペイン国民は非常事態宣言に則って行動していた」と記者会見で説明。併せて逮捕者の中で極端に規制に違反した1名に対し、サンタクルス・デ・テネリフェにある裁判所が懲役4か月間の判決を下したと発表しました。これにより、著しく逸脱した行為を行った場合は今後も懲役最大4か月を言い渡すと述べています。
スペインでは治安警察のマスクや手袋をはじめとした適切な予防装備が不足しており、同僚の死や病気休暇を余儀なくされているため警官の不足が深刻な問題となっています。しかし、マラスカ内相は国家治安部隊のすべてのメンバーが任務を果たすうえで必要な予防装備が揃っていると主張。さらに新たな予防装備を受け取ることになるとも述べました。一方でマラスカ内相は「新型コロナウイルスで亡くなった治安警察がどうしてこれらの予防装備を手に入れられなかったのか」という記者からの問いには応じませんでした。同時にマラスカ内相はこの新型コロナウイルスによる混乱を悪用したサイバー攻撃が何十件も報告されていることを指摘しています。
これらの状況を鑑みてスペイン政府は3月29日に臨時会議を行い、ペドロ・サンチェス首相によって発表されたさらに厳格な封鎖措置に合意。この措置により、いかなるスペインの居住者も3月30日から4月9日までは強制的に外出が禁止されます。ただし、食料や医薬品の購入、犬の散歩といった特定の条件に限っては外出が許可されています。
参考元 : EL PAIS
https://english.elpais.com/spanish_news/2020-03-25/spanish-authorities-arrest-926-people-for-breaking-rules-of-lockdown.html