3月30日、イタリア政府は新型コロナウイルスの拡散対策として行っている全国的なロックダウンを少なくとも4月のイースターシーズンまで延長する方針を発表しました。当初ロックダウンは4月3日を以て終了する予定でしたが、収まる気配のない感染状況により4月12日まで延長されることになります。現在、イタリアではほとんどの店舗やレストランが閉鎖され、市民は3週間にわたり不要不急の外出を禁止されています。
2月21日にイタリア北部地域にて新型コロナウイルスの感染が確認されて以来、イタリア国内での感染者は急激な増加を見せました。現在、新型コロナウイルスによる世界の死亡者数の1/3分以上をイタリアが占めており、その数は12,000人に迫る勢いとなっています。イタリア保険当局によると3月30日の死亡者は24時間で812人が報告され、新たな感染者は4,050人も増加。これまでに確認された累計患者数は101,739人に上ります。イタリア国内で感染の中心となっているのが大都市ミラノを含むロンバルディア州です。イタリア国内における死亡者の約60%、感染者の約40%はロンバルディア州で確認されており、長引くロックダウンに不安が広がっています。
ロンバルディア州のアッティリオ・フォンターナ州知事は「これまでに前例のない活動制限により劇的な発症数の増加から脱することが出来た。今後はこの状態を維持する必要がある」と現状の対策を継続する必要性を強調。さらに「ロンバルディア市民は感染拡大の抑制という意味において正しい軌道に乗っており、感染者は増加の一途から横ばいを維持している」と述べました。
イタリア国民健康研究所の所長であるシルビオ・ブルサフェロ氏は「ロックダウンの規制緩和に至るためには新たな患者を大幅に減らす必要がある。期間限定で規制を緩和した後、再度規制を行う”ストップアンドゴー”と呼ばれるイギリスの手法も検討している。いずれにしても緩和は段階的に行う必要がある」と政府への提言を明らかにしました。