先日発表された予備調査の結果によると、新型コロナウイルス拡散防止のためにイギリス政府が行ったロックダウンと社会的距離措置が順当に機能し、間もなく感染者は減少に向かう見込みであることが発表されました。
専門家たちはオンラインで1,300人のイギリス国民にアンケートを実施。1人あたりが1日に接触した人数をロックダウン前と後で比較調査しました。その結果、ロックダウン前と比較して1人あたりの接触人数が70%も減少に転じていることが明らかになりました。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のジョン・エドマンズ氏は「仮にこの変化がイギリス全土で見られる場合、新型コロナウイルスによる感染も減少し始めると予想している。しかし、これはあくまで予備調査の結果であり、我々のやるべきことが終わった訳ではない。むしろこの結果は今後も国民がイギリス政府の指示に従い続けることの根拠となるべきだ。国民保険サービスへの負担を減らすべく、今後も数ヶ月にわたり感染を抑え込む必要がある」と引き続きロックダウンや社会的距離をとることの重要性を訴えました。エドマンズ氏らによる研究では1人の感染者が他者に感染する場合の平均数である「R0」という指標を使用しています。この数値を1.0未満に保ち続けることができた場合、感染が抑止されていることを示します。
一人当たりの平均接触数がロックダウン以前より70%以上減少したという結果は、この研究でロックダウン後のR0測定値が0.37から0.89の間であると算出されたことに基づきます。この調査に直接関与しなかった専門家たちも、この調査結果は有益で励みになるものだと述べました。ノッティンガム大学のキース・ニール教授は「新たな感染者数が横ばいになっていること、2週間以上にわたって政府から自宅待機命令などの指示があること、さらに1週間以上ロックダウンの対策が取られていることなどを考慮すると、R0値が1を下回るという結論は信頼できるものだ」とこの調査結果を支持しました。またロイヤル・ホロウェイ大学の生物人類学者であるジェニファー・コール氏は「生活維持のために最低限の外出や労働が許されていてもR0値の低下が可能であることを証明する価値のある研究結果だ」と見解を述べました。