新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、フランス政府は新たに入国規制を強化すると発表しました。新たな入国規制はフランスへ入国する全ての渡航者に対し記入を求めるもので、国際旅行証明書の名目で導入されます。他のヨーロッパ諸国とは異なり現在フランスは国境を封鎖していませんが、4月6日より旅行証明書が導入されることにより、国外から訪れる渡航者の数を制限したいという思惑が伺えます。
これまでもフランス国内を旅行する場合にはサイン、日付、時間が既に書かれた「証明書」を持参する必要がありましたが、これからはフランス入国の際に国際旅行証明書が必須となります。証明書は国境で提示しなければならないほか、フランスに向かうフェリー、電車、飛行機に搭乗する際にも携帯しなければなりません。
なお、フランス国民は帰国が許されていますが、外国人の場合は以下の条件を満たさなければ原則として入国することは出来ません。
- 主にフランスに居住しており、フランスに本籍を有する者
※第三国の国民はビザまたは在留証明書が必要ですが、EU加盟国(イギリスを含む)の国民は在留資格の証明は不要となります。なお、別荘の所有者はこれに該当しません。 - ヨーロッパ圏内の他の国に本籍を有し、フランスを経由して帰国する者
- 新型コロナウイルスに関連した治療または看護に従事する医療関連者
- トラック運転手や航空機または貨物の輸送業者
- 外交官
- 国境を越えて勤務する労働者
※例えば居住地がフランスで勤務地がスイスの方は国境間の移動が許可されます。
4月6日より新たな入国規制が導入されましたが、フランス、イギリスの両政府はフランスの別荘への旅行はロックダウン措置の元での「不要不急な移動」にはあたらないと既に3月の段階で表明しています。両国間の国境が解放されているのはあくまで物資の供給や医療スタッフなど必須労働者の移動を制限しないためのものであり、フランス内務省は「ロックダウン状態が解除されるまで別荘への移動は許されない」という声明を発表しています。フランスへ向かう航空機、列車、フェリーは現在も運行されていますが、利用者の減少に伴い大幅にサービスを縮小しながら稼働しています。
参考元 : THE LOCAL fr
https://www.thelocal.fr/20200407/permission-form-now-needed-for-anyone-entering-france