ドイツのケルンに拠点を置くドイツ最大の航空会社であるルフトハンザは、本国ドイツのみならず周辺国家のオーストリア、ベルギー、スイスに対し援助を求める姿勢であると発表しました。この理由についてルフトハンザ理事会理事長兼最高経営責任者であるカーステン・スポーア氏は、新型コロナウイルスの影響によりほぼ全ての航空機のフライト中止を余儀なくされたためと説明しています。スポーア氏は「ベルン、ブリュッセル、ウィーン、そしてベルリンでそれぞれ行われる会談が、前向きな良い結果で終わるということを確信している」とスタッフ宛てに投稿したオンラインのビデオメッセージの中で述べました。
ルフトハンザ航空はスイス・インターナショナル航空、オーストリア航空、ブリュッセル航空を傘下に持っており、国からの支援要請を検討しているという見解を以前より明らかにしていました。関係者が4月初旬にロイター通信に語ったところによると、ドイツ政府は新型コロナウイルスの世界的流行の影響でフライトの95%を運行停止にせざるを得ない状況にあるルフトハンザに対し、数十億ユーロの公的支援を視野に交渉を進めているとのことです。
スポーア氏はさらに、「ルフトハンザが40億ユーロ(約43億5000万ドル)以上の流動性バッファー(金融危機など経済的ストレスのかかった時期において必要となりうる流動的な追加資金)を持っていたことは幸運なことだ。しかし、その一部はキャンセルされたフライトの代金を支払っている顧客からのものであり、当社は現在毎時100万ユーロの割合で資金を失っている。この状況はおそらく今後数ヶ月は続くだろう」と述べました。さらに、「数週間前に我々が想像していた時よりも事態はさらに深刻な状況に陥っている。回復するまで予想より長く時間がかかるだろう」と話しました。