フランスのエマニュエル・マクロン大統領は外出禁止令をさらに1か月間延長し、新型コロナウイルスのための封鎖措置を5月11日まで継続すると発表しました。マクロン大統領は4月13日の全国演説において、「国民が一体となり責任をもって行動し、規則を遵守することでウイルスの猛威が抑えられたとき、我が国は5月11日をもってこれまでの日常を取り戻すことができるだろう」と述べました。さらに、「そのためには一層の努力を続けなければならない。規則が尊重されれば多くの命を救うことができ、被害を食い止めることが可能だ」と厳重な封鎖措置を継続する理由を訴えました。大統領は続けて「収束に向けた希望は見えてはいるが、流行をコントロールできているわけではない。まだ勝利を掴み取ったとはいえない」と引き続き警戒態勢を維持しなければならないことを強調しました。
現在、フランスの新型コロナウイルスによる入院患者数と死亡率の推移は横ばいというデータが発表されています。しかしフランス保健当局のジェームズ・ソロモン長官は、「数字が横ばいであっても高い水準であることに変わりはない」と未だ危機的な状態であることを繰り返し訴えており、今後の感染再拡大を防ぐためにも今回の措置継続は必要不可欠であるとの見解を述べています。
なお、5月11日より保育所、学校、大学は段階的に再開する見通しです。しかし、レストラン、カフェなどの飲食店や博物館、美術館などの文化施設等は依然として再開の目処が立っておらず、大規模なイベントは7月中旬まで許可されることはないと政府は発表しています。
また、マクロン大統領はこの数カ月間の新型コロナウイルスへの対応に不手際があったことを認め、5月11日までに高齢者、医療従事者および重症化するリスクが高い人への十分な検査体制整備と、全国民に対するマスクの安定した供給を約束すると述べました。さらに企業だけでなく、不安定な状況にある家庭への財政援助の計画など、補償面でも対策を強化していく意思を表明しました。
参考元 : The Guardian