大手オンラインショッピングモールのAmazonは、新型コロナウイルスの脅威から従業員が正当に保護されていないのではないかとの指摘を受け、フランス国内での物品配送を生活必需品のみに制限するよう裁判所より命じられました。
パリ近郊のナンテールにある裁判所はAmazonに対し、従業員を保護するために適切な予防措置が講じられているかを当局が徹底的に調査すると通達。改善が見られるまでフランス国内の業務を制限することを命じました。そのため、4月14日より食品や衛生用品、医療製品など生活必需品のみの配達に制限されました。
この判決についてAmazonは「従業員を保護するために導入された対策の確かな証拠がある中で、裁判所の判決には困惑を隠せない」との声明を発表しており、同社は重ねて控訴する意思があると述べました。
判決のあった翌日15日、Amazonはフランスにある6つの自社倉庫を一時閉鎖することを発表。同日、労働組合宛に送られた文書によると、閉鎖は4月16日から少なくとも20日まで続くとしています。また、閉鎖される間の補償として、倉庫で雇用されている1万人の従業員には自治体の部分失業保険が利用されるということです。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中でAmazonへの注文が急増しており、同社の従業員の待遇に監視の目が強まっています。今回の判決はフランスの労働組合グループが端を発したもので、100人以上の労働者が近接距離で労働を強いられていると主張し、Amazonの関連会社に訴訟を起こしたという経緯がありました。その一方で、Amazonは従業員の保護対策を講じていないという指摘を繰り返し否定しています。
同社はより厳しい清掃手順を導入し、従業員には充分な距離を確保して安全な作業環境を保証したとの主張を強めています。
参考元 : BBC
https://www.bbc.com/news/world-europe-52301446