ドイツのアンゲラ・メルケル首相は国内16州の首脳とのオンライン会議を終えた後、新型コロナウイルスの拡散防止のために講じていたロックダウンの措置を段階的に緩和する計画を発表しました。メルケル首相はロックダウンにより一定の成果は得られたとしながらも、「我々は依然として油断せずに前進し続けなくてはならない。今はまだウイルスの制御に成功したと言える段階ではない」と述べ、引き続き国民の努力が必要であることを強調しました。
社会的距離を保つルールは少なくとも5月3日まで維持され、店舗や公共交通機関などの屋内では継続してマスクの着用が推奨されています。今回発表された措置の緩和により、閉鎖されていた800平方メートル以内の小規模店舗は、衛生管理計画を策定すれば4月20日より営業の再開が認められる見通しです。また、カーディーラー、自転車店、書店は規模に関係なく再開が可能である上、理髪店は厳格な衛生対策を遵守することで5月4日より再開が認められます。また学校は、休憩時間やスクールバスでの移動時の安全対策を強化した上で5月4日より段階的に再開される予定となっています。
少しずつ再開の目処が立つ一方で、未だ封鎖措置の完全解除とは程遠い状況にあります。バー、カフェ、レストランやライブハウス、映画館は今回の段階的な緩和の対象には含まれておらず、閉鎖されたままの施設も数多く存在しています。また、宗教的な会合を含む集会も8月31日まで禁止されています。
ドイツ経済省は欧州最大であるドイツ経済が3月より景気後退の局面を迎えたと述べています。この新型コロナウイルスによる経済への影響を緩和するために、ドイツ政府は7500億ユーロ相当の景気刺激案を可決しました。
参考元 : BBC