オランダのマルク・ルッテ首相は4月21日の記者会見で5月11日より小学校や保育園を再開する旨を発表しました。併せて中等教育学校の再開は6月を予定し、大規模なイベントは9月まで延期する意向を明らかにしましたが、これらの計画については3~4週間に一度見直しが行われるということです。発表についてルッテ首相は、「これが現時点で我々のできる最大の対策です。社会的距離措置をあまりにも早く緩和すればさらなる感染拡大に繋がりかねません。全員が慎重に行動しなければならない時期なのです」と述べました。
オランダでは5月11日からの学校再開に際し、さまざまな予防策が講じられます。健康に関するガイドラインに準拠するため生徒が学校に通う時間は通常の半分に留められ、対面授業もこれまでの半分の規模で行われます。通学は保護者同伴で自転車や徒歩のみとし、なるべく公共交通機関の利用を避けるよう呼びかけています。また、校内では大人のみならず生徒同士もできる限り距離を空けることが推奨され、社会的距離を保つことが求められます。なお、同日に再開される保育園や小学生の児童を対象とした特別支援施設は、従来通りのスケジュールで利用できるようになります。
国立公衆衛生環境研究所の所長であるヤープ・ファン・ディッセル氏は「学校再開の判断は幼児や児童の感染例が少なく、重症化する可能性が低いことを示すさまざまな研究結果に基づいています」と述べています。これまで学校が集団感染に陥った例はないとし、学校を閉鎖することが感染拡大の防止に寄与しないとの見解を示しました。
一方で社会的距離措置の施行は5月20日まで延長され、それ以降の動向については前週に政府が決定を下す見通しです。ルッテ首相は会見において「事態を収束させるためには国民が一致団結することが肝心です。一人の身勝手な行動で他人の健康を犠牲にすることがあってはならない」と述べ、今後も警戒を続ける意向を改めて強調しました。
参考元 : DutchNews.nl
https://www.dutchnews.nl/news/2020/04/dutch-reopen-primary-schools-and-daycare-but-ban-events-to-september/