イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は4月26日、およそ2ヶ月にも及んでいるロックダウン措置を5月4日より段階的に緩和させる計画であることを発表しました。コンテ首相は政策が新たな段階に進んだことを強調した上で、「今こそ我々一人ひとりが責任を持って行動することが重要だ」と述べ、引き続き国民への協力を求めています。
5月4より開始される制限緩和には、製造業や建設業、飲食業の配達サービス、屋外での運動の再開などが含まれます。また、同じ地域内であれば親族への訪問や仕事などを理由に移動することが可能となりますが、公共交通機関を利用する際にはマスクの着用が義務付けられるということです。冠婚葬祭に関しては葬儀のみ執り行うことが許可されますが、参列者の上限は15名であり全員にマスクの着用と社会的距離の維持が求められます。
5月4日の制限緩和による状況を鑑み、5月18日には小売店舗や美術館、博物館などの文化施設が再開される見通しです。さらに6月以降にすべてのレストラン・バーなどの飲食店や美容院などが再開される予定ですが、最終的な判断は5月中旬に行うとしています。
4月26日時点で新型コロナウイルスによるイタリア国内の死者数は2万6000人を超えており、この数はヨーロッパ諸国では最も多く世界でも米国に次ぐ規模となっています。しかし新規感染者と集中治療室にて治療を受ける重症者の数は減少傾向にあり、4月26日の死者数は3月14日以来最少であると発表されました。
このようにピークを脱しているとみられるものの、コンテ首相はロックダウン緩和後も今後数ヶ月は社会的距離措置を維持していかなければならないとし、「ロックダウンが緩和されたからといって警戒心を緩めてはいけない。ルールを遵守しない限り再び感染者は増加し我々の経済活動に取り返しのつかない打撃を与えるだろう。この国のためを思うなら、他人と距離を置き予防に努めてほしい」と国民に強く訴えました。
参考元 : THE LOCAL