ベルギーのソフィー・ウィルメス首相は3月14日より開始してきた新型コロナウイルスに対する封鎖措置について4月25日より段階的に解除する計画を発表しました。
ベルギーはヨーロッパ諸国のなかでも感染拡大が深刻な地域のひとつであり、実に5万人を超える感染者を出しています。また死者数はおよそ8千人に上り、総人口あたりの死亡者率としては周辺諸国と比べても高い数値です。これに伴い食品店、薬局、ホームセンターや園芸店など一部の店舗のみが営業を許可され、多くの国民が在宅勤務を余儀なくされていました。しかし4月24日、国家安全保障理事会において連邦政府は「入院患者数や死亡者数が減少してきたことから、段階的な封鎖措置の廃止が可能になった」と説明しました。
まず、5月4日より12歳以上のベルギー国民は公共交通機関を利用する際にマスクやスカーフ、バンダナ等で口と鼻を覆うフェイスカバーの着用が義務化されます。この規則に準拠するため同日に布や裁縫用具の店舗が再開され、政府は国民一人あたりに少なくとも1枚は布製マスクを提供することを発表しました。
その一週間後の5月11日には社会的距離を維持するという前提で、制限されていたその他の店舗が再開可能となります。
さらに5月18日より10人以下の小規模な人数という条件付きで学校が開校され、博物館や美術館などの文化施設や理容室も再開される予定です。なおカフェやレストラン、一部のレジャー施設、遠方への旅行は早くとも6月8日以降に規制が緩和される見込みとなっています。
一方でベルギー政府は、「規制緩和の動きが始まったからといって、ウイルスがまだ私たちの近くにあり危険であることに変わりはない」と強調し、警戒を弱める段階にはないということを国民に広く呼びかけました。
参考元 : BBC