ドイツのメルケル首相は新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン措置を大幅に緩和することを発表しました。首相は各州政府とのビデオ会議後、記者会見で「現時点ではウイルスの拡散を抑止するという目標が達成され、医療システムの崩壊を防ぐことができている。このためロックダウン措置の追加緩和について合意に至った」とその経緯を説明しています。
ロックダウン開始時に施行された社会的距離措置は6月5日まで適用され、依然として他人と1.5メートルの間隔を保持し、公共交通機関など人の密集が避けられないエリアではマスクを着用する必要があります。しかし、今回の緩和では家族以外の他の世帯の人々と会うことが許可されるほか、休業を余儀なくされていた多くの店舗は衛生対策を講じたうえで再開可能となりました。
さらにメルケル首相は、ドイツのサッカーリーグであるブンデスリーガも5月後半より再開が認められると発表しました。観客の有無など開催方法についての詳細は述べませんでしたが、主要なヨーロッパのサッカーリーグで再開が明言されたのは今回が初めてのことです。
ただし今回の緩和に対し、感染が再拡大した際の「緊急ブレーキ」と呼ばれる措置も同時に示されました。これは7日間で州もしくは独立した都市において10万人あたり50人を超える感染者が新たに発生した場合、再度規制が行われるというものです。メルケル首相は感染の再拡大が確実に抑止されるよう当局が常に監視していくと話し、「感染流行の第一波は過ぎ去った一方で、完全な終息までには多くの時間を要するだろう」と、国民に対し引き続き警戒を緩めずに行動することを求めました。
参考元 : CNN