5月23日、スペインのペドロ・サンチェス首相は新型コロナウイルス対策における段階的な規制緩和計画の追加事案について記者会見を開きました。会見の中でサンチェス首相は、「大きな山場は乗り越え、暗いトンネルに一筋の光が見えています。スペイン国民一人一人が使命を果たし、新型コロナウイルスに立ち向かった結果です」と述べ、政府の措置を遵守した国民を称えました。
スペインでは規制緩和が4段階で進行している中、5月25日にマドリードやバルセロナなどの特定地域が第1段階に、特定地域を除く地域が第2段階に移行することを発表。規制緩和により、カフェやレストランでは屋外での営業再開や、社会的距離の保持を条件として10名以下の集会、200名以下の屋外イベント等が許可されました。
一方サンチェス首相は、「できるだけ早く以前の生活に戻りたいと思う気持ちを十分に理解しています。しかし、気を緩めることなく今後も感染防止に努めてください。規制緩和が進行中ではありますが、依然として新たな感染拡大が発生する恐れは高い状況にあります。私たちは保健当局の指示に従い、引き続き慎重に、そして責任をもって行動しなくてはなりません」と改めて国民に対し協力を呼びかけました。
さらに観光業に関しても言及し、「私たちは経済活動を再開しなければなりません。特に観光業はスペイン国内において多くの雇用を創出している重要な産業です。夏のホリデーシーズンに向けて、観光業に従事する方は営業再開の準備をお願いします」と述べ、早期に観光業を再開する意向を示しました。スペイン政府は外国人観光客が国内で安全にバカンスを過ごせるよう準備を整え、7月より国外からの渡航者の受け入れを開始するとしています。また、記者会見では6月8日より国内外で人気の高いサッカーリーグ「ラ・リーガ」の再開も公表。開催が予定されている11試合はいずれも無観客で行われる予定です。