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欧州委員会は、2025年10月12日より出入国管理システム「EES」の段階的な導入を正式に決定しました。EESの導入は、空港や湾港、陸路の国境検査場で順次進められ、2026年4月にはシェンゲン協定加盟国全域にて稼働する予定です。EESの対象者は、シェンゲン協定加盟国に短期滞在する非EU国籍の方で、滞在期間は180日間のうち90日以内と定められています。そのため、長期ビザや居住権を取得した方はEES対象外となります。
EES導入の主な目的は、シェンゲン協定加盟国への入国を希望する短期滞在者の出入国管理の強化です。システム導入後は、従来のパスポートへの捺印が廃止されます。代わりに、入国・出国の日時、パスポート情報、顔写真や指紋などのバイオメトリクス情報をデジタルで記録するため、不法滞在の防止やセキュリティの強化、審査時間の短縮が期待できます。
渡航者は初回入国時に、パスポートのスキャンと顔写真の撮影を行い、ビザ免除対象者は4本の指紋も採取します。ただし、12歳未満の子供は指紋採取が免除され、顔写真撮影のみ対応が必要です。収集したデータは通常は3年間、不法残留などの問題が確認された場合には最長5年間保管されます。また、入国審査では帰国便の航空券や滞在先の証明書類の提示は引き続き求められるため、事前にご準備ください。欧州委員会は、EES導入後は手続きの遅延や混雑が予想されるとして、渡航者に対し時間に余裕を持って準備するよう呼びかけています。
参考元:Schengen News、European Union