ロンドンのヒースロー空港をはじめ、ベルリン空港やブリュッセル空港など欧州の主要空港でチェックインおよび搭乗手続きを扱うシステムがサイバー攻撃を受け、大規模なフライトの遅延・欠航が発生しました。
攻撃の標的となったのは、米国の航空機関連企業「コリンズ・エアロスペース社」が提供する“MUSE”というソフトウェアです。サイバー攻撃によって自動化システムが機能停止し、今回の混乱を引き起こしたとされています。
この事態は現地時間9月19日夜に始まり、週末にかけてフライトへの影響が拡大しました。ヒースロー空港では出発・到着便の多くで遅れが発生し、遅延時間が1時間を超えるケースも報告されています。また、ブリュッセル空港では21日に50便以上が欠航し、航空会社に対し「月曜日に出発予定だった便の半数を欠航するよう」要請が出されました。
一方、ヒースロー空港やベルリン空港では、軽微な遅延はあるものの大きな影響は出ていないとしています。ただし、空港側は、出発前にフライト状況を確認し、時間に余裕を持って空港へ向かうよう呼びかけています。
今回の攻撃について、コリンズ・エアロスペース社は「サイバー関係の障害」と認識したうえで、「影響を受けた空港および航空会社と協力し、システム機能復旧の最終段階にある」と発表しました。現在、各空港では電子チェックインが利用できない便に対し、手動での搭乗手続きを導入するなど対応に追われています。
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