シェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは?ヨーロッパ渡航について解説
更新日 : 2026/01/20
Contents
シェンゲンビザとは
シェンゲンビザの最大の特長はヨーロッパ各国共通で使用できる利便性であると言えます。シェンゲン協定加盟国内であれば訪問国ごとにビザを取得する必要がなく、自由に往来出来るという便利なビザです。シェンゲンビザを取得することによりヨーロッパ各国へ渡航を希望する際、渡航する全ての国のビザを個別に申請する必要がなく、シェンゲン協定加盟国内のビザを一つ取得すれば各国間を自由に往来することが出来ます。ビザの取得には各国の大使館や領事館に行き必要書類を揃え、審査を受けて発給という流れを経るため、かなりの時間やコストがかかることが懸念されていました。シェンゲンビザの導入により、渡航に該当するビザを取得していれば観光や短期の商用(商談や視察など)が認められ、どの加盟国でも自由に移動することが可能となります。ただし、無条件で各国へ入国できるという訳ではなく入国の際は必ず入国管理の審査を受ける必要がありますので、入国審査官より入国不適合と判断された場合は、入国拒否となってしまうこともあります。
現在、日本国籍者であればビザ免除協定が結ばれているためシェンゲンビザを取得していなくてもパスポートのみでヨーロッパへの渡航が可能ですが、ETIAS(エティアス)の導入は2026年を予定しています。導入後、ヨーロッパ渡航の際は事前にETIAS(エティアス)を取得する必要があります。ただし、既にシェンゲンビザを取得している方はシェンゲンビザでの入国が認められるため、ETIAS(エティアス)を申請する必要はありません。ETIAS(エティアス)は、90日以内の一般的なヨーロッパ旅行を希望される方が必要となります。91日以上の滞在を希望される方や就労または留学を目的として渡航を希望される方はETIAS(エティアス)申請の対象となりませんので、当該のビザ申請をご検討ください。
なお、ETIAS(エティアス)は空路のみではなく海路、陸路で渡航する際にも必要となりますので必ず申請の準備をお願いいたします。
シェンゲン協定加盟国
2026年1月現在、シェンゲン協定加盟国は以下の30か国となっています。シェンゲン協定加盟国はEU26か国と、EFTA(European Free Trade Association:欧州自由貿易連合)の4か国によって形成されています。
- オーストリア
- ベルギー
- チェコ
- デンマーク
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- クロアチア
- ハンガリー
- アイスランド
- イタリア
- ラトビア
- リヒテンシュタイン
- リトアニア
- ルクセンブルク
- マルタ
- オランダ
- ノルウェー
- ポーランド
- ポルトガル
- スロバキア
- スロベニア
- スペイン
- スイス
- スウェーデン
- ブルガリア
- ルーマニア
- キプロス
※シェンゲン協定加盟国の追加により、ETIAS(エティアス)申請対象国は変更となる場合があります。2026年よりシェンゲン協定加盟国にキプロスの追加が予定されており、ETIAS(エティアス)導入後は渡航の際に申請が必要となる見込みです。
シェンゲンビザの種類について
シェンゲンビザには主にAビザ、Cビザ、Dビザと呼ばれる3つの種類があります。
それぞれ特有の制限を設けているため、渡航目的に応じてそれぞれの分類を理解し、ご自身に適したシェンゲンビザの申請を行う必要があります。
Aビザ
トランジット(乗り継ぎ)を目的としたビザはAビザと呼ばれます。
Aビザを取得することでシェンゲン協定加盟国の空港でトランジット(乗り継ぎ)をして第三国へ渡航することが認められます。
Cビザ
最も一般的なビザであり、短期滞在を目的としたビザです。
Cビザを取得することでシェンゲン協定加盟国での観光や親族訪問など、一度の渡航で90日以内の滞在が認められます。
Dビザ
長期滞在を目的とした方のためのビザです。
Dビザはシェンゲン協定加盟国を自由に往来できるものではなく、1か国のみでしか滞在することが出来ません。
Dビザを取得することで91日以上の滞在が認められますので、就労や留学など長期滞在を希望される方はDビザの申請をご検討ください。
シェンゲンビザ申請に必要な書類
シェンゲンビザの申請には、申請書やパスポート等いくつかの必要書類を事前に揃えなければなりません。また、申請する国や渡航目的によっては、追加書類の提出が必要となる場合があります。予め下記の書類を全て揃えてから申請を行いましょう。
必要書類
- シェンゲンビザ申請書
- パスポート(有効期限が3か月以上あるもの)
- パスポート用の顔写真(6か月以内に撮影されたもの)
- 居住証明書
- 旅行日程表
- ホテルの予約確認書など宿泊先を証明できる書類
- 銀行口座の残高証明書(過去6か月間の預金通帳または銀行取引明細書)
- 海外旅行保険の保険証券
追加書類(例)
- 出生証明書
- 婚姻証明書
- スポンサーシップ証明書
- 雇用契約書
- 給与明細書
- 教育機関の在学証明書
シェンゲンビザの記入項目
シェンゲンビザの申請には、下記の情報の入力が求められます。申請書は、申請先の領事館や大使館または各国の公式ビザセンターサイトからダウンロードしましょう。
記入項目は全て英語での入力となるため、事前に各連絡先や住所等を翻訳しメモに控えておくことをお勧めします。なお、記入項目は国ごとに異なる場合があります。
申請者情報
- 氏名
- 旧姓(氏名欄に入力した姓と異なる場合)
- 性別
- 生年月日
- 国籍
- パスポート情報(パスポート番号、種類、発行機関、有効期間満了日)
- 他の市民権、国籍
- 出生情報(出生国・出生都市)
- 現在の国籍(出生時の国籍と異なる場合)
個人情報
- 住所
- メールアドレス
- 電話番号
- 居住許可証番号、有効期限(自身の国籍と異なる国に居住している場合)
- シビル・ステイタス(法的な婚姻状況)
- 親権者または法定後見人の氏名、住所、国籍(申請者が未成年の場合)
- 国民ID番号(所持している場合)
- 電話番号
- 現在の職業
- 雇用主あるいは教育機関の連絡先
渡航情報
- 渡航目的(観光、商用、家族・友人訪問、就学、乗り継ぎなど)
- 渡航先(滞在期間の大半を過ごす予定のシェンゲン協定加盟国を記入)
- 渡航する際に最初に入国するシェンゲン協定加盟国(1か国のみの渡航を希望する方はその国を記入)
- 入国予定日
- 出国予定日
- シェンゲン協定加盟国において希望する滞在期間
- 入国回数(シェンゲン協定加盟国への入国と出国の回数)
- 過去3年間に取得したシェンゲンビザの数
- シェンゲンビザ取得の際に行われた指紋採取の回数
- 最終目的地の入国許可証(取得している場合)
- 宿泊先や招聘した者の氏名
- 申請者を招聘または受け入れる機関の名称と連絡先(該当する場合)
- 滞在費または旅費の負担者、支払い方法(現金、クレジットカード、小切手など)
最後に記入日と場所を入力し、最終確認を行ってください。内容に不備があった場合は、申請の却下や審査が遅延する可能性が高いため注意が必要です。申請者本人の手書きでの署名を以て、ビザ申請書の入力は完了となります。署名する際は、黒または青のボールペンを使用してください。なお、申請者が18歳未満の場合は、親権者あるいは法定後見人の署名が必要となります。申請書を入力した後はコピーを取り、他の申請書と一緒に保管することをお勧めします。
万が一、提出前に入力ミスを発見した場合は新しい申請書での訂正が必要です。提出後は原則として修正できませんが、大使館または領事館へ来館予約する前にお問合せください。
シェンゲンビザの記入例
シェンゲンビザの申請では、個人情報やパスポート情報に加えて雇用主または教育機関の連絡先、宿泊先の住所などの入力が求められます。記入の際はパスポートや旅程表、在職証明書または在学証明書、ホテルの予約確認書などをあらかじめ手元に用意しておきましょう。
以下では、シェンゲンビザ申請書の各項目と記入例について解説します。
| 項目 | 記入例 |
| 1.姓(Surname) | TANAKA |
| 2.旧姓(Surname at birth) | SHIODA |
| 3.名(First name) | MAIKO |
| 4.生年月日(Date of birth) | 20 September 1992 |
| 5.出生都市(Place of birth) | TOKYO |
| 6.出生国(Country of birth) | JAPAN |
| 7.国籍(Current nationality) | JAPANESE |
| 8.性別(Sex) | “Female(女性)”に✔を付ける |
| 9.法的な婚姻状況(Civil Status) | “Married(既婚)”に✔を付ける |
| 10.親権者または法定後見人の氏名、住所、国籍(Surname, first name, address) | NONE |
| 11.国民ID番号(National identity number, where applicable) | NONE |
| 12.パスポートの種類(Type of travel document) | Ordinary passport |
| 13.パスポート番号(Number of travel document) | SS134678 |
| 14.パスポートの発行日(Date of issue) | 20 September 2022 |
| 15.パスポートの有効期間満了日(Valid until) | 13 July 2027 |
| 16.パスポートの発行機関(Issued by) | Ministry of Foreign Affairs of Japan |
| 17.住所およびメールアドレス(Applicant’s home address and e-mail address) | 5-6-7-505,NAMAMUGI, TSURUMI-KU,YOKOHAMACITY, KANAGAWAPREFECTURE,JAPAN Sbi000@gmail.com |
| 17.電話番号(Telephone number) | 090-999-5678 |
| 18.現在の国籍(Residence in a country other than the country of current nationality) | “No”に✔を付ける |
| 19.現在の職業(Current occupation) | Company Employee |
| 20.教育機関または雇用主の連絡先(Employer and employer’s address and telephone number. For students, name and address of educational establishment) | SSE CO., LTD 8-10-3-304 OKUSAWA,SETAGAYA-KU,TOKYO,JAPAN |
| 21.渡航目的(Main purpose of the journey) | “Tourism(観光)”に✔を付ける |
| 22.渡航先(Member State(s) of destination) | Germany |
| 23.最初に入国する予定のシェンゲン協定加盟国(Member State of first entry) | Germany |
| 24.入国・出国する回数(Number of entries requested) | “Single entry”に✔を付ける |
| 25.滞在日数(Duration of the intended stay or transit Indicate number of days) | one month |
| 26.過去3年間に発給されたシェンゲンビザの数(Schengen visas issued during the past three years) | “No”に✔を付ける |
| 27.シェンゲンビザ申請における指紋採取の有無 (Fingerprints collected previously for the purpose of applying for a Schengen visa) | “No”に✔を付ける |
| 28.最終目的地の入国許可証の発行機関と有効期限(Entry permit for the final country of destination, where applicable) | (Issued by)NONE |
| 29.入国予定日(Intended date of arrival in the Schengen area) | 15 February 2027 |
| 30.出国予定日(Intended date of departure from the Schengen area) | 15 March 2027 |
| 31.招待人の氏名や宿泊するホテルの連絡先(name and first name of the inviting person in the Member State. If not applicable, name of hotel or temporary Accommodation in the Member State) |
|
| 32.招聘人または機関の名称と連絡先(Name and address of inviting company/organisation) | NONE |
| 33.滞在費の負担者および支払い方法(Cost of travelling and living during the applicant’s stay is covered) | “by the applicant himself/herself(申請者が負担)”とMeans of support(支払い方法)で“Cash(現金)”に✔を付ける |
| 34.EU、EEAまたはスイスの市民権を有する家族の氏名、生年月日、国籍、パスポート番号(Personal data of the family member who is an EU, EEA or CH citizen) | NONE |
| 35.上記の人物との家族関係(Family relationship with an EU, EEA or CH citizen) | NONE |
| 36.申請書の作成日および(Place and date) | 20 December 2026 |
| 37.署名(Signature (for minors, signature of parental authority/legal guardian)) | TANAKA MAIKO |
引用元:https://samurai-law.com/schengen/col002/
シェンゲンビザの申請費用
シェンゲンビザの発給手続きには、申請費用が必要です。申請内容や申請者の年齢によって金額が異なり、発給拒否となった場合は返金されないためご注意ください。
また、原則としてビザを利用した渡航での滞在期間は延長できません。ただし、災害や事故などが原因でシェンゲン圏内から出国できない場合に限り、延長の申請が認められます。
申請費用については以下の通りです。
| 申請内容 | 申請費用 |
| 初回申請 | 80ユーロ |
| 6歳までの初回申請 | 無料 |
| 6歳~12歳までの初回申請 | 40ユーロ |
| ビザの延長 | 30ユーロ~ |
| 団体旅行での延長 | 1ユーロ |
| 1か国から複数国への渡航に変更 | 30ユーロ |
シェンゲンビザの申請手続き
はじめに上記の必要書類の準備を行い、大使館および領事館へ提出してください。その際に申請者の生体認証(顔写真の撮影、指紋採取)の登録が行われます。商用ビザや就労ビザを申請する場合は、業務上の渡航だと分かる企業とのメールや就労先が記載された書類を追加で提出してください。申請手続きが完了すると、「受領証明書」が発行されますので保管しましょう。
また、審査にはおよそ15日間かかります。審査期間中に書類の訂正や、追加書類の提出、再度面接を求められた場合は指示に従って対応してください。審査で許可が下りるとすぐにビザが発給されますが、発給拒否となった場合は理由を明記した書面が通知されます。なお、パスポートや各種書類原本は審査結果の通知後に返却されます。
就労や留学などを目的としたビザ
商用ビザ(Business Visa)
商用目的としてシェンゲン圏へ渡航する方に適したビザです。
1か国、あるいはそれ以上の国を渡航される場合に適用となります。商用関連目的のみを意図しているため、観光や行楽を目的とした渡航には適しておりません。また、商用ビザで市民権を取得することは認められておりません。
学生ビザ(Student Visa)
シェンゲン圏内の教育機関で学ぶことを保障されている学生に適したビザです。
学習目的でこのビザを取得する際に留学対象国の市民権は不要ですが、学生ビザを利用して移住権を得ることは認められておりません。
就労ビザ(Working Visa)
シェンゲン圏のひとつ、またはそれ以上の国で就労を希望される方に向けたビザです。
このビザでは申請者だけでなく、希望があればその家族にも訪問国の住民権を得ることが認められております。
就労ビザの制度はシェンゲン加盟国それぞれによって異なるため、国や就労先により無犯罪証明書の提示と、滞在に際し十分な資金があることの証明書(預金通帳のコピーや給与明細)を求められることがあります。他にも戸籍謄本や各種証明書が必要となる場合もありますので、就労ビザを希望される方は訪問国および就労先へのご確認を推奨いたします。
渡航の際にビザ取得が必要な方
一般的な観光や短期ビジネスを目的として渡航する場合は、ビザを取得することなくETIAS(エティアス)を申請することでシェンゲン協定加盟国を含む30か国への渡航が認められます。しかし、ETIAS(エティアス)申請の審査結果が「渡航認証拒否」と通知された方はETIAS(エティアス)での渡航は認められませんので、渡航目的に合わせたビザの申請が必要となります。ビザの申請方法や条件は国により異なりますので、当該国の大使館・領事館へお問い合わせください。
ビザ免除の条件とは
日本国籍の方がシェンゲン協定加盟国へ渡航する際はビザの取得が免除されますが、いくつかの条件が設けられています。
渡航目的が観光や短期ビジネスであること
ビザが免除される条件として、渡航の目的が健全であり、現地での就労や報酬を伴わない渡航であることが前提となります。現地での就職、長期滞在や永住などを目的として渡航する方はビザ免除の対象およびETIAS(エティアス)申請の対象となりませんのでご注意ください。ビザ免除対象者の主な渡航目的は下記に限定されます。
- 観光旅行
- 親族や知人への訪問
- 出張、商談、会議への出席
- 現地での撮影や取材
- スポーツイベント等の参加や文化交流
- 専門的な治療や療養
- 短期間の研修や訓練
一度の渡航が90日以内であること
シェンゲン協定加盟国は、観光や短期ビジネスなどを目的とした短期滞在用の圏内共通の査証として「シェンゲンビザ」を発行しています。日本国籍の方の場合、シェンゲンビザを取得することなく入国と滞在が認められますが、シェンゲン国境規則には「あらゆる180日間における最長90日」という滞在日数のルールがあります。
これは、1年の約半分である180日間はシェンゲン協定加盟国での滞在が認められますが、一度の渡航につき滞在が認められる期間は最長で90日以内とするというものです。詳しくは下記の枠内をご確認ください。シェンゲンビザの免除対象となる日本国籍の方は、シェンゲン協定加盟国内であれば原則として出入国審査をせずに自由に国を行き来することが認められますが、出入国の判断は国境の入国審査官や警察に委ねられる場合があります。
イギリスとアイルランドはシェンゲン協定の適用外となるため、両国とシェンゲン協定加盟国との往来には入国審査が行われます。
「あらゆる180日間における最長90日」とは
シェンゲン国境規則の「あらゆる180日間における最長90日」というルールにより、一度の渡航につきシェンゲン圏内での滞在可能日数は90日以内と定められています。この90日の解釈は、180日(半年)以内の滞在で合計90日間を超えてはならないという意味のため、例えば、一度の滞在が30日であればビザを取得せずに半年以内で3回の渡航が認められます。
一度の滞在日数30日×渡航回数3回=90日
一度の渡航で最長90日間の滞在も可能ですが、その場合は向こう3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国および滞在は許可されませんのでご注意ください。一度の渡航で90日前後の滞在を希望する方や、一年を通して頻繁にシェンゲン圏内へ訪れる予定のある方は個別に主要国のビザ取得を推奨します。
パスポートの有効期限が3か月以上あること
シェンゲンビザの免除にはパスポートに関する条件も定められています。
- 過去10年以内に発行されたICチップ搭載の機械読み取り式のパスポートであること
- シェンゲン協定加盟国の出国予定日より3か月以上有効なパスポートを所持していること
現在、日本で発行されているパスポートは全てICチップ搭載の機械読み取り式です。パスポートの有効期限は目安として6か月以上の残存期間があれば入国に問題がないとされていますが、滞在国を出国する予定日より3か月以上の有効期限を有していなければなりません。
また、シェンゲンビザが免除されていても、シェンゲン協定加盟国およびその他のEU圏へ入国する際に入国審査を求められる場合があります。最初に入国するシェンゲン加盟国での審査に加え、シェンゲン圏の国境では入国管理官や警察官などによる任意の審査が行われ、入国の条件を満たしていないと判断された場合は入国拒否となる場合もあります。パスポートの有効期限に十分な余裕のない方はパスポートの更新を行った後に、具体的な渡航プランを立案することを推奨します。
シェンゲン圏での滞在可能日数を確認する方法
シェンゲン圏へ渡航する場合、シェンゲン国境規則として「あらゆる180日間における最長90日」という滞在日数についての規定があります。これは「180日(半年)以内において、シェンゲン圏内で滞在を認める期間は最長で90日とする」というもので、この90日の解釈は「合計90日間」という意味となります。
例えば、一度の滞在が30日であればビザを取得せずに半年以内で3回の渡航が認められます。
一度の滞在日数30日 × 渡航回数3回 = 90日
一度の渡航で最長90日間の滞在も可能ですが、その場合は向こう3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国および滞在は許可されませんのでご注意ください。過去1年以内に何度かシェンゲン圏で滞在したことがある方は、今後シェンゲン圏内での滞在可能な日数や、圏内への入域可能日を確認できる方法があります。事例をもとに解説しますので、渡航前に滞在可能な日数を確認しておきましょう。
EC(欧州委員会)サイトのShort-stay calculator(短期滞在計算)のページへアクセスしてください。
例として、2026年1月13日よりシェンゲン圏を訪れる予定で滞在可能な日数を調べてみましょう。
①日付けは 日/月/年(西暦の下2桁)の順で表示されます。日付けを変更する際も日/月/年の順で入力してください。
日付けは「基準日」と呼ばれます。日付けを入力して“Planning”(計画)を選択します。
すでにシェンゲン圏に滞在しており、あと何日滞在可能かを確認したい場合は“Control”(確認)を選択してください。
②過去1年以内に3回にわたりシェンゲン圏へ渡航したと仮定し、下記の滞在履歴を入力します。
1回目 : 2025年1月1日~1月5日まで(5日間)
2回目 : 2025年7月10日~7月31日まで(22日間)
3回目 : 2025年11月5日~11月7日まで(3日間)
③滞在履歴を入力した後に”Calculate”(計算)ボタンを押します。
④右側の空欄に以下の内容が表示されます
Start of 90 days period : 16/10/25
→①で入力した基準日(2026年1月13日)より90日前は2025年10月16日である。
Start of 180 days period : 18/07/25
→①で入力した基準日(2026年1月13日)より180日前は2025年7月18日である。
The stay may be authorized for up to:87 day(s)
→①で入力した基準日(2026年1月13日)から起算した場合、シェンゲン圏での滞在可能日数はあと87日である。
ページの冒頭で説明したシェンゲン国境規則である「あらゆる180日間における最長90日間」というルールに基づくと、2025年7月17日以前にシェンゲン圏で滞在した記録についてはカウントされません。
①で入力した基準日から起算した場合、シェンゲン圏での滞在可能日数はあと87日であることが表示されます。
海外旅行保険について
一部のシェンゲン協定加盟国では、渡航の際に海外旅行保険への加入が義務付けられています。当該国の入国条件によっては、海外旅行保険に加入していない場合は入国拒否や罰金を科される可能性があるため注意が必要です。渡航前には、各国の大使館や総領事館の公式ウェブサイトで最新の入国条件を必ず確認しましょう。なお、入国審査時に保険証券の提示を求められる場合があるため、事前に準備しておくことをお勧めします。
以下では、海外旅行保険の加入が義務付けられているシェンゲン協定加盟国について解説します。いずれの国においても、出国時まで補償が有効な保険への加入が必要です。また、クレジットカード付帯保険を利用する場合は、本人名義の英文保険証券を用意してください。
| 国名 | 必要となる海外旅行保険の内容や補償額 |
| チェコ | 保険内容で傷害・治療・死亡関連での補償額が3万ユーロ以上の保険。 |
| ハンガリー | 死亡関連の項目で補償額が3万ユーロ以上の保険。 |
| ブルガリア | 治療・緊急搬送・死亡関連の項目での補償額が3万ユーロ以上の保険。 |
| ラトビア | 治療・救援要請の項目で補償額が総額3万ユーロ以上の保険。 |
| リトアニア | 緊急移送や医療サービスが含まれる保険内容で補償額が総額3万ユーロ以上の保険への加入が求められます。また、入国時には英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、リトアニア語のいずれかで記載された保険証券の原本が必要です。 |
引用元:https://www.tokutenryoko.com/news/passage/17825#schengen_insurance
入国の流れ・出国審査について
複数のシェンゲン協定加盟国へ渡航する場合は、最初に入国する国で入国審査を受け、最後に出国する国で出国審査が行われます。なお、最初に到着した国の空港で入国審査を受けるため、以降の乗り継ぎ空港では入国審査は原則として省略されます。入国後はパスポートに入国スタンプが押印されているか必ず確認してください。スタンプが見当たらない場合は、速やかに入国審査官へ確認しましょう。入国審査が完了した後は、税関検査を受けます。税関申告が必要な場合は検査カウンターの赤いレーンへ、申告が不要な場合は緑のレーンへ進んでください。出国時はパスポートを提示し、審査に問題がなければ出国スタンプが押印されます。
例えば、日本からアムステルダム(オランダ)を経由してローマ(イタリア)へ渡航する場合は、アムステルダムで入国審査と税関検査を受けます。アムステルダムからローマへの乗り継ぎ時には入国審査や税関検査は行われず、ローマから日本へ帰国する際に出国審査が実施されます。
また、欧州委員会(EU)はシェンゲン協定加盟国内の空港を対象に、出入国管理システム「EES」の導入を進めています。2026年4月にはシェンゲン協定加盟国全域で稼働する予定で、EESシステム導入後は従来のパスポートへの押印が廃止される見込みです。初回入国時には、パスポートのスキャンや顔写真の撮影が行われ、入国日・出国日、パスポート情報などがオンライン上で管理される仕組みとなります。
ビザ免除制度を利用して滞在する際の注意事項
欧州のシェンゲン協定加盟国へ短期の旅行を希望する場合、日本国籍の方はシェンゲンビザを取得することなく渡航が可能であることをお伝えしてきましたが、ビザ免除制度を利用してシェンゲン協定加盟国へ入国する際の注意点について解説します。
滞在可能な日数のルール
シェンゲン国境規則の「あらゆる180日間における最長90日」というルールにより、一度の渡航につきシェンゲン圏内での滞在日数は最長で90日以内となります。この90日の解釈は、180日(半年)以内の滞在で合計90日間を超えてはならないという意味です。一度の滞在が10日であればビザを取得せずに半年以内で9回の渡航が認められます。一度の渡航で最長90日間の滞在も可能ですが、その場合は向こう3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国および滞在は許可されませんのでご注意ください。長期滞在や頻繁にシェンゲン圏内へ訪れる予定のある方はビザ免除制度の対象外となりますので、個別に主要国のビザ取得をご検討ください。
ETIAS(エティアス)申請の対象であること
2026年よりETIAS(エティアス)が導入されるため、導入後にシェンゲン協定加盟国へ渡航を希望する方は事前にETIAS(エティアス)申請を済ませておく必要があります。ETIAS(エティアス)申請は乳幼児を含む未成年者も申請が必須となりますので、保護者の方は家族全員分のETIAS(エティアス)申請を忘れずにお願いします。(18歳未満と70歳以上は申請料が無料となる見込みです)
なお、以下に該当する方はETIAS(エティアス)申請の対象となりませんのでご注意ください。
- 過去にオーバーステイの履歴がある方
- 何らかの理由により強制送還の対象となった履歴がある方
- 重大な犯罪歴のある方、重要な事案で係争中の方
- 紛争中の国への渡航歴がある方
上記に該当する方でシェンゲン協定加盟国およびEU加盟国への渡航を希望する方は、シェンゲンビザの取得か主に訪問する国のビザ取得をご検討ください。シェンゲン協定加盟国1国のみを訪問する場合は、その国の大使館・領事館での申請が必要となります。2か国以上の加盟国を訪問する場合は、主要滞在先となる国の大使館・領事館にて申請を行ってください。主要滞在先がない場合は、加盟国の中で最初に訪問する国の大使館・領事館にて申請をお願いします。原則としてビザの申請は申請者本人にて行う必要があります。シェンゲンビザ取得手続きには2週間から1か月ほどの日数を要します。ビザが必要となる方は渡航プランに余裕を持って早めの手続きをお願いします。
シェンゲンビザに関するよくあるご質問
シェンゲンビザはどのような特長がありますか?
シェンゲンビザの最大の特長はヨーロッパ各国共通で使用できる利便性の高さです。シェンゲン協定加盟国内であれば訪問国ごとにビザを取得する必要がなく、自由な往来が認められます。
シェンゲンビザを取得する際は加盟国の大使館や領事館に必要書類を用意して赴き、審査と面接を経て発給となります。ビザを取得した方はシェンゲン加盟国の往来が可能ですが、入国の際は入国管理官による審査が必要です。また、有効なワクチン接種証明書などを提示できない場合は入国拒否となる場合があるため、渡航前に必要書類を確認しておきましょう。
※現在、日本国籍の方は「ビザ免除協定」によりパスポートのみでヨーロッパへの渡航が可能です。ただし、2026年に導入が予定されている電子渡航認証制度ETIAS(エティアス)の施行により、今後はオンラインでの事前申請が必須となります。ETIAS(エティアス)に関する詳細は「ETIAS(エティアス)申請とは」をご確認ください。
現在シェンゲン協定加盟国は何か国ですか?
2026年1月現在、シェンゲン協定加盟国は以下の30か国です。
シェンゲン協定加盟国はEU26か国と、EFTA(European Free Trade Association:欧州自由貿易連合)の4か国により形成されています。
EU加盟国のアイルランドはシェンゲン領域外となります。
シェンゲンビザにはどのような種類がありますか?
シェンゲンビザには主にAビザ、Cビザ、Dビザの3種類があります。それぞれ個別の制限を設けているため、特長を理解し目的に適したシェンゲンビザを申請してください。
トランジット(乗り継ぎ)を目的としたビザです。シェンゲン協定加盟国の空港で乗り継ぎ、第三国へ渡航する方が対象となります。
最も一般的なシェンゲンビザで、短期滞在を目的とする方が対象となります。
シェンゲン協定加盟国での観光や親族訪問など、一度の渡航で90日以内の滞在が認められます。
就労や留学など91日以上の長期滞在を目的とした方が対象となります。
Dビザはシェンゲン協定加盟国を自由に往来できるものではなく、滞在は1か国のみとなりますのでご注意ください。
一度の渡航で90日間滞在した後、すぐにシェンゲン協定加盟国へ渡航することは可能ですか?
一度の渡航でシェンゲン協定加盟国に90日間にわたり滞在した場合、その後3か月間(90日)は加盟国への渡航は認められませんので注意が必要です。
シェンゲン圏へ渡航する場合、シェンゲン国境規則として「あらゆる180日間における最長90日」という滞在日数についての規定があります。これは「180日(半年)以内において、シェンゲン圏内での滞在可能期間は最長90日とする」という意味で、この90日の定義は「合計90日間」を指します。
例:一度の滞在日数30日 × 渡航回数3回 = 90日
過去1年以内にシェンゲン圏での滞在歴がある方は、滞在可能な日数や入域可能日をEC(欧州委員会)サイトのShort-stay calculator(短期滞在計算)のページにてご確認ください。
シェンゲンビザとETIASの違いは何ですか?
シェンゲンビザとはシェンゲン協定加盟国30か国において観光やビジネスを目的に90日以内の短期滞在で入国する際に必要となるビザです。ETIASは今後ヨーロッパで導入される電子渡航認証制度を指します。現在、日本を含むビザ免除の対象となる国民はシェンゲンビザを取得する必要はなく、パスポートのみでシェンゲン協定加盟国への渡航が認められています。ただし、ETIAS導入後はパスポートのみでの渡航は許可されず、渡航前にオンラインにてETIASを申請し渡航許可を取得する必要があります。シェンゲンビザに関する詳しい内容はシェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは?をご確認ください。
<シェンゲンビザとETIASの主な違い>
| シェンゲンビザ | ETIAS | |
| 有効期限 | 6か月 | 3年間 |
| 申請方法 | 大使館での申請・面接が必要 | オンラインにて申請が可能 |
| 取得までの期間 | 約2~4週間 | 即日~4週間 |
ETIAS(エティアス)とはどのような制度ですか?
ETIAS(エティアス)とは、ヨーロッパ渡航に必要となる電子渡航認証制度です。2026年の導入が予定されていますが、具体的な時期や詳細などは今後発表される見込みです。申請はオンラインのみとなり、期限が有効なパスポートとクレジットカードが必要となります。現段階で想定されるETIAS(エティアス)の主な入力事項は以下の通りです。
- 氏名、性別、生年月日
- パスポート番号、パスポートの発行日、パスポートの有効期限日
- 現住所、国籍、出生地
- メールアドレス、電話番号
- 最初に入国を予定している国
- 現在の就労先または在学先に関する情報
上記に加え過去の犯罪歴や渡航履歴など、入国の適性を判断するため幾つかの質問に回答する必要があります。ETIAS(エティアス)は申請から審査結果が通知されるまで最大4週間程かかる場合があります。導入後はヨーロッパへの渡航が決まった段階で申請を行うことを推奨します。
ETIAS(エティアス)の申請方法に関する詳しい内容は「ETIAS(エティアス)の申請方法」をご確認ください。